David T. Walker
David T. Walker / Ode 1971
フュージョンは曖昧な音楽ジャンルではあるが、おおむねジャズからの派生とR&Bからの派生という2系統があるように思う。ジャズから即興演奏のウエイトを引算し、エレクトリックを足算したもの。あるいはR&Bからボーカルを引算し、楽器のウエイトを足算したもの、という言い方もできるかも知れない。ロックからの派生はジェフ・ベックだろうが、「Blow by Blow」は1975年であって、開拓者というより参入者だろう。ジャズ由来の元祖はウェザーリポートやリターン・トゥ・フォーエバーそしてCTI系。R&B由来の元祖はモータウン系。双方にルーツを持つのがクルセイダーズ、といったところか。クルセイダーズは1972年にBlue Thumbに移籍してジャズ・クルセイダーズから「ジャズ」を引算してラリー・カールトンを足算している。モータウンはR&B由来の象徴であって、モータウンの音楽から歌を引算して楽器を強調したらフュージョンになるだろう。デヴィッド・T. ウォーカーは1960年代からモータウンのスタジオ・ミュージシャンとして陰で大活躍していたが、1971年に初のソロ・アルバムをOdeから出した。この音楽はすっかりフュージョンの体を整えている。余談だが、このOdeというのはキャロル・キングを世に送り出したレーベルで、同年には「つづれおり」をリリースしている。


